夏を濯ぐ/
ソマリ
夕立が無色透明装って世界の色を塗りかえていく
夏草で作りし花冠捧げればいろどり添える幼い香り
真夏にしか開かない扉見つけ出す触角のばせ跳ねる子供ら
縁側で午睡のさなか風鈴を風揺するとき時間は止まる
水槽のふちを巡って夏探し 取り残されたと知らず金魚は
今一度 声の限りの名残雨 浴びれば夏が濯がれていく
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