影絵の夏/
落合朱美
一点の翳りも見えぬ空の下白さを競う百合とTシャツ
軒下でチリリと唄うびーどろは風に撫でられ恋を煩う
結い上げた髪にかんざし挿してみる すこし淫らなおんなを気取る
誰がために色づく朱とおぼしきや夏に時めきほおづきの鳴く
儚きや恋のゆくへを占へば火薬のにほひとオレンヂの珠
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