黒い花束/
本木はじめ
風船がしぼんでゆくのは見たくないだから今すぐ針を刺してよ
箱ならば開けてしまうよ血管を通うわたしのパンドラの血
飢えている仔猫にミルクあげるとき黒い何かの目覚めに気付く
試験中ねむるあなたを救うため火災報知機鳴らして起こす
ホタルホタルおまえの儚くやわらかい光が世界を暗くしてゆく
髪形が決まらないから出かけない小鳥や夜空もあなたの視線
曇天の午後四時すべて無機質な世界に変わる告白のあと
いくつもの世界が閉じてゆくでしょう黒い花束かかえて眠る
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