かおるの音    蒼風薫/梅昆布茶2
 
恋芽生えても花を望むまいほのかな思いのままが身の丈

強がりを組み立て終わり終わらなくても終わったと消したアドレス

昨日見てない虹でした明日もまた見たいものです出さない手紙

その人と交わす約束その人と会う数よりも一通のふみ
一編の詩を解くようにいくつもの三叉路を選び折れてあなたへ

いつか来る死に別れとか生き別れとかすれ違い 秋のおぼろ夜

くるしさと明日を図る天秤の器に載せる歌を詠む夜

人の世で紡げる私の歴史ならあなたの歴史に織り込まれたし

雨降る日ポストに一通あなたからことばでなくて薫血が届く


夕日のおしまいのための

褪せちまったもんに

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