カスレ木/
ヤギ
夢置いて暮れる中空声カラス 阿呆阿呆となくは誰が為
走り去る回送電車に見し人と命を賭して擦れ違(たが)いしや
記憶せしその名霞みて迷い道 あるべき日々に眼を凝らすのみ
取り返す結晶水に掬(すく)われよ 色無き心白色(はくしょく)たるか
手を添えて溶岩流より生じたるこの崖溶けよと祈るならまた
木皮(もくひ)食い雨滴(うてき)飲み込み我を呼べ 亡骸纏(まと)う歯弱き猿と
息奪い鼓膜痺らす風圧に薙ぎ裂かれつつ咲く花よ咲け
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