悲しみの果てに立つ光射す美姿(みすがた)にすがりたい/秋葉竹
 


 


だれからの
希みも祈りもことわれないなら
哀しい感じの《博愛の女(ひと)》


さらさらと
風に吹かれて揺れる髪
天に三日月汚れた悲しみ


泣く猫の
ような彼女に海があり
メロディみたいな海鳴りを聴く


眠れない
夜が明けたらこの街に
いいわけせずにこの部屋を出る


神さまに
叛いた夢のなかのこと
罰せられてもなお握る夢


泣き顔を
一度もみたことない君の
夢をごまかす笑顔に震える


駄目だけど
溶接された針金の
ような悲しい想い出に泣く


あしたでも
まにあうだろうと想うとき
世界はムザムザふたりをわかつか



やさしくて
挫けそうでもまなこみて
やさしく抗う《博愛の女(ひと)》




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