あなたと犬/えいざっぷあずま
 
 半分こで払う家賃と二人の約束が、唯一僕らを拘束する法律で、他人の喧嘩もだるい連絡も全部他人事。うすいのに家の壁は優秀で、世の中が中に入ってくることをまるごと拒んでいた。
 でも夏休み中にある毎日のバイトの送り迎えをしているうちに、唯一よく通りすぎるわんことは友達になれた。わんこは毎日違うことを伝えようとして来るから、僕らが見ないニュースキャスターの代りになった。垂れ下がったベージュのふわふわな耳がラブリーだから、柔軟剤の匂いとかを付けたかった。でも帰り道に笑い転げて、爆うま惣菜と酒を近くのスーパーで買って帰る日に限って、犬には会えない。

明日にはあなたと犬積んだ宇宙船乗り放浪したい

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