冬哥/藤原絵理子
 

きみまつとひまより漏れしさゆる月とはず語りの風の音かな

あたらしき年むかふるを言祝げば吉事しけやと小松かざさむ

あらたまの年ふるごとにうつれどもみづ砥く岩に月ぞやどれる

春あさきむめがかをりに夢さめてむかしを思ふ片敷きのそで

きみのゆく春のみやまのさくらばないくよふるとも恋ひしかるらむ
戻る   Point(1)