季節にいる人/
水宮うみ
雨上がりの紫陽花みたいに話しかけてくれる人だと思った
この手があったか!って言いながらカイロで手を温めたそんな冬
平成最後の夏にいまだ囚われたまま、彼は空を見ている
落ち葉を踏みしめる音のようだった。わたしの心を揺らした声だ
ここにない季節が記憶の中にある 感じるままに季節を歌う
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