鋼/紫野
 

手を結び子どもの顔して軽々と瓦礫の丘を越えるものらよ


君が見るわすれな草のみずいろが欠けたる空の隙間を埋める


散りさくらアスファルトの上なお走り側溝に飛び込みようよう息絶う


春の夕ぼかぼか開くる八重桜 さきに緩めたこぶしのよであり


遺棄された校舎に夕日添い寄りて 終礼の鐘いつの日鳴るや





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