台風のあとに/道草次郎
 
コスモスと遊ぶ颶風のふきかえし
立ち入れぬまま
往くわたくしは


やらなきゃといかなきゃのばしょとしてくこと
ひらがなにしても
月はぽっかり


鳥の声さがしに出ていく人間が
いると思えば
自分であった


区切られた部屋では窓も区切られて
けれども空は
くぎられようもない


秋雲がゆっくりずれるカーテンが
風孕むたび
息ころすとき

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