糖衣、それは深刻な/初谷むい
糖衣、それは深刻な結露のようにわたしをつつむ薄い劣情
正解のない会話をするゆびさきで祈りのようにラブと打ち込む
忘れやすいこころですので安心してばかにしたり傷つけたりしていいです
涙の出る穴 いつか誰かの前で開かれていきそれは美しいだろう
燃やされてしまった家がどこかにあるそれに心を痛めることはなかった
ひかりのような料理が作りたいのに芯のあるパスタしか作れない
暖房の温度をガンガンあげようねお酒は楽しくなるからすきだ
いいよっていうことが嫌だけどいいよって思うからしょうがないじゃん
世界一ラブリーなので泣くときは普通に化粧が落ちて溶けて死ぬ
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