挨拶/深水遊脚
 


狭くなる階段 明滅する灯り 迂闊に晒した腕が冷え行く


イカ焼きを分け合う二人 唇のおたふくソース言い訳に 吸う


「左様なら」字を確かめて噛み締める 繕う理由なんてなくても


強がりに気を取られてた私から離れた人と交わす挨拶


充血し腫れた目で読む小説の古風な美学 なされるままに
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