春風に吹かれて/生田 稔
春風に吹かれて
友訪ねともに買い物せむとてや車に乗りて弥生も末
今日の空うす紫に雲もなく川の青柳ゆれておりけり
車窓より春のそよ風吹きこみてややもひんやり光りさす道
真昼なり風温かくのんびりと前面に青き麦苗あお々々と伸ぶ
妻と友おもいおもいの感慨を持ちて農道過ぎてゆく
ヴァイキング三人で食し腹くちく田園ひろごる田舎道行く
弥生すえ桜芽吹く小川に沿いてゆっくりとゆく広き野原
野洲川に桜公園開かれて青草豊かな野原に憩う
白梅とひかん桜の咲く今日の今年もこれで寒さ終われり
二・三日すればこのへの桜みなぱっと咲きいでにぎにぎしかり
この辺り枯れ草に混じり青草ひろごりいまだ早春なれ
帰り道橋を渡れば湖の彼方には春霞かかりておりぬ
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