穂絶座/
木立 悟
どこからか逆さの寝床に降りるものみんながみんなけだものになれ
人知れず吐息がすべて爪となる留まりたくない意志も一緒に
透明な粒の作る火うずまいて夜の螺子呼ぶ夜の螺子吹く
はばたいて炎は夜を鞣しゆく法のふりした狐老斬るため
くりかえし命が命を呼んでいる尾のように振る穂のように散る
ひとつにもふたつにも見ゆすべからく姿なきもの世を満たしゆく
運んでも埋めても洞は満たされず瞳の奥を彷徨いつづく
月が落ち空が落ちなお浮かぶ夜ひとりあそびの指なり止まぬ
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