百合短歌/凍湖(とおこ)
 

今朝きみが脱いだパジャマを畳む、いまごろきみはかれと寝ている


しんぞうにおおあながあいたときだけ撫でるのでいい、きみのねこだし


バリンって突きぬけた街なかで恋人繋ぎするじっぽんの指


着るもののサイズぴったりでさみしい。だから増えない部屋にあなたが


廊下にてきみの髪の毛ぐちゃぐちゃにしては私の内側に似せる


来ないからもう知らないよ今日からはきみの歯ブラシ掃除道具だ


くずだなぁくずだよといふ口ぐせのあなたは匂ひたつようなくず



ねこ(注:同性同士の恋愛において、受け身な方を指すことば)

百合(注:女性同士の恋愛を指すことば)

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