誰も知らない大陸/水瀬游
 
這ってでも掴みに行こう この星の自転をいつか全てこの手に

勝利への道はどれほど短くとも サンディエゴからニューヨークまで

釈迦牟尼の手のひらでない非情なる土地でもバレエ・ダンサーであれ

この町の地図ではなかった少年の頃に父から貰った地図は

ゴワゴワの毛並みに萎びた筋肉の獣も牙はまだ研いでいる

石となり土には帰れなかった者 大地の下でまだ飢えている

「身を切る」と言う修道女 文字通り祭壇にその肉が置かれる

勝利への道はどれほど長くとも 決意してから六秒以内

あの虹を渡って君に会いに行く 罰と呪いを届けるために

思い出の日の深淵より宿命は来たる 蹄
[次のページ]
戻る   Point(2)