春宵一刻/梅昆布茶
 
金色のみかんの浮かぶ夕景に君への想いがひとつふたつ

朝の息にかじかんだこころ暖めて君の手を取る冷んやりと恋

パルメザンふりかけて朝のナポリタンコーヒー色の目覚めの時間

タブレット指を滑らしメール読む鬱の寝起きの悪さの便り

電話の向こう京都の春は何部咲き匂うならそれは君の命

新都心夜の灯りの煌煌と隅々までもこころを照らす

場外の築地の朝は賑わしく外人さんの聞き慣れぬ会話

一手間かけて安あがり居酒屋にないメニュー愉しむ

ユニクロのデザインTシャツフリースとなんとも安価な僕のファッション

亡き歌手の歌が聴こえる太陽が目にしみるほど痛かった






戻る   Point(4)