千年浮遊/本木はじめ
北海道みたいにきれいなきみの街 迷彩服で匍匐前進
堤防にきみと二人で座り込む恋と平和を浪費するため
溶けてゆく定めを今は忘れつつささやくように降り積もるきみ
よみがえる王女のためのパヴァーヌをラヴェルという名の仔猫に習う
国境を越境しようと熱狂する僕に肘をついたままのきみ
届かない手紙が幾つも破られる郵便ポストは空腹である
疲れたよ戦うことも守るのも僕らは自由だ自由は僕らだ
ぼんやりと見つめています花吹雪全体的に暗い夜です
この世界着地点なくぼくときみふたりの恋の千年浮遊
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