窒素またはアルゴン/梅昆布茶
銀翼の先が震えている絶対零度の闇のフライト
期待値の乱高下近似値の生活相対値の憂鬱
固体にもなりきれず水のようにも流れない不活性な期待
城砦のかなたにかかる月澄み渡る理想液体の夜
デカダンという夢想の階段昇りつつ太宰の恋の月見草に似て
乱切りの食材楽し寝乱れた夜を溶かして味噌汁の湯気
薄墨にながれるままに暮らしつつふと生きづらさ歌に託して
朝まだき街の寝起きのゆるやかに夢を断ち切るきみの唇
組曲と一日をつなぐ通底のモチーフになってよ澄んだ魂
天文薄明地平線の下には世界の淵の坩堝があって
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