ただ愛のために/梅昆布茶
愛ってたちのよい錯覚ならばそれも素敵な贈り物だね
愛にも慈悲にも権威なんて要らないんだとふと思う
愛なんてなかったという君を思い出にする僕のわがまま
彼女はいつも体と心を売り渡してそれを恋愛と呼んでいた
愛は世界から断絶するための安易な方便じゃあないよな
エゴイストの企みをオブラートで包んでそれもひとつの愛
最近破れかけてきた屋根のすみからいくつかの星の降り注ぐ
愛のない親だからって愛のない子供たちでもなかったみたいだ
はたして神の記した本の中に人は愛を学んだのだろうか
魚になって愛を食べて鳥になって空に溶け込んでゆくのもいいな
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