風、ひゅうひゅう。/とろり
風の匂いがあなたの胸においてある(ヨリソウヨルハイツデモトオイ)
真夜中のこころのようにみうしなうやさしい夢になれていなくて
口づけをしたゆび先におわかれをいうまで春は檻だったのに
白菜の甘いところをわけあってどうしようもなくひとりのふたり
抱き寄せあうたびにぽろぽろおりてゆくスノードームをむねへしずめる
胸底にたまったものが星になるまで背を撫でてあげたいとおもう
かなしみをかなしみぬいて私たち小さな棺のなかのたんぽぽ
どこまでも数えてしまう傷痕の わたしはずっとしあわせでした
好きなだけ風になってもいいんだよ(ワタシハスキマダラケデスカラ)
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