火よ、きみは花を燃やしている/かぐら
少しずつ
季節が忘れてゆく花の
わたしを知って欲しかったんだ
きみの手を
ひいて歩いた十二月
他人同士であって それでも
雨の日に笑っていても
晴れの日に眠っていても
空っぽのひと
きみの詩は
盛り上がらずに終るから
まるで週末みたいで良いね
こうこうと
セブンスターが燃えていた
さっきまで詩が在ったところで
わたしから
あなたへ架かるこの橋を
渡った後で、燃やして、落とす
神さまの
いない背中をきつく抱く
命の弱さを確認しあう
血流の中へと
雪を降らせつつ
きみの不安を消すハルシオン
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)