火よ、きみは花を燃やしている/かぐら
 
少しずつ
季節が忘れてゆく花の
わたしを知って欲しかったんだ


きみの手を
ひいて歩いた十二月
他人同士であって それでも


雨の日に笑っていても
晴れの日に眠っていても
空っぽのひと


きみの詩は
盛り上がらずに終るから
まるで週末みたいで良いね


こうこうと
セブンスターが燃えていた
さっきまで詩が在ったところで


わたしから
あなたへ架かるこの橋を
渡った後で、燃やして、落とす


神さまの
いない背中をきつく抱く
命の弱さを確認しあう


血流の中へと
雪を降らせつつ
きみの不安を消すハルシオン



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