多摩のうた十二月/たちばなまこと
 

とどくきみ電話の声にねころんで
正しく蒔いたわたしの母音


はじまりの予感にまみれ匂い立つ
いとおしい小さな過ちよ


今日もやっぱり晴れたよねわたしたち
多摩一番の晴れのひとだよ


朝のカフェ、エスカレーター、ホームでも
赤らめつつ頬よせるけもの


霜が立つ八王子市の端っこで
いきはじめてくいきいそがずに




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