沸く/本木はじめ
 


する事もなくて真夜中ぼんやりとモノクロ孔雀を鮮やかに塗る


あの頃は確かに僕ら透明度高くて空も嫉妬していた


閉じ込められていない 朝食は海 ここから遠い僕のはじまり


瞬きをせづにドライブ乱暴な光がときおり儚く揺れる


動かないロールスロイスから空を見上げたでかい桜の下で


あきらめることができないそうですか僕はあなたが大嫌いです


嫌悪するきみの間近で気絶する外国人は僕じゃないです


灰色の夏の思い出きみが持つ原色図鑑が海馬で映える


不眠症無数の夢が次々と僕の真横を通過する夏


言葉ではなくて不自由。夢ならば覚
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