亡霊ペンギン/
冬野 凪
八月の身体の火照りを感じつつ抑へきれない皮膚の爛れよ
月光のアナスタシアよ薔薇園でかくれんぼする亡霊ペンギン
溜め池に子どもが落ちたと連絡あり草いきれの真夏の夢よ
果樹園に妻を埋めたと自供する鈴なりの桃は何も語らぬ
向日葵を刈り取つてしまへ継母の言ひつけ従ひしあの夏の匂ひ
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