秋風に/
生田 稔
秋風に
どうしてか白き花咲く蕎麦の花食料になる花は素朴だ
萩の花庭に散りいてゆうこくの秋風が吹き妻と帰宅す
ローマ書を書き写しつつ楽しみて次は更級日記写さむ
未来には何が待つかと考えつ聖書の約束思いにめぐる
中秋の名月という今宵の空虫にぎやかに妻とあゆめば
私には金にえん無くポケットに一円もなく名月を愛ず
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