夜間閲覧室/
春日線香
梨を剥く間にバスは図書館へ 風の果てには悪魔が待つ
司書の目を盗んで書架を渡り歩く 本は野菜のように選ぶ
ノートにはただ星屑が並ぶだけ 孤独を星の言語で記す
錆びついた巨大な鋏が待ち受ける 黒いページに栞を挟む
未明までチェスで戦う司書と悪魔 一敗するたび歯を一本
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