交響曲第1番 「シニカルパレード」〜気狂いのための〜/否々
 
軽快に始まり告げるコルネット 目覚めた朝に心(しん)貫いて

夕霧を纏ってさ迷う森の中 大樹のファゴット 出口はこっちと

廃校に忘れ去られてさめざめと ヴィオラは嘆く 停止した未来に

着信有り 歌うシロフォン長調に 返すメールにマレット弾んで

届かなかった想い ピアノにのせてたれながす 天の川の琴線揺らして

銀色の吐血さまよう独白は トライアングルの角から漏れてゆく

まどわせる船さえ見えない海底で ハープの弦さえ途切れ途切れで

絶望が止まらない夜脳みその シンバルが叫ぶ 頭痛がやまない

三つ指と吐息に混ぜて混沌を ゆるやかに奏でるユーフォニウム

人生の夢も汚泥もオーケストラに 委ねて最期の大団円を
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