八幡掘/生田 稔
 
雲もなく太陽はえて春空に八幡掘に妻と来てみた

春の陽の温き陽だまり水流れ妻は心に何思うかな

陽は陰りふと歌詠わんと万葉の歌集をとじてペンを持ちけり

白き根に緑濃き葉の伸びし草水辺に在りてわが目そそりて

桜花咲き出でむとして二日せば花の岸辺とならむ川見る

新しき彩り染めて咲きいでし春萌える午後妻と岸辺に
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