sorekkiri/佐藤真夏
 
白雪に赤い水飴垂らす頃 あの子は少女と呼ばれていたか




目の前を振り子がとおる 催眠を 迂闊に噛んではいけない指が




灰皿の上に広がる砂景色 嬉しかったね、呼吸すること




お風呂場のひかりを落とす 海の底 プランクトンのことだけおもう




停電のはじまるとこから漏れていた小さな声が稲妻だった
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