Wicked Child/本木はじめ
 
夜にしか会えないわたしたちだった合わない靴を無理して履いて


クラクション鳴らすあなたの矛先はわたしと彼女のちょうど真ん中


コーヒーを投げるあなたの手の平は薬指から冷めてゆくのね


行き遅れピサの斜塔で夢のなか変色してゆくりんごが落ちる


やわらかくカッターあててあなた待つほこりかぶりし走れメロスや


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