車の彼方/生田 稔
車の彼方
青い空陽輝きて師走半ば子とわれ妻の外出なりき
ノンアルコール・ビール飲めば風吹きつ希望を持とう希望持とう
遠き山冬の霞の立ちこめて今朝は体の調子良し
脳髄は盛んに話作りつつ街道をゆく空はうす青
柳川を横ぎる車温き陽に体はうるむ冬も楽しき
伝道に訪れる家うるわしく吾は楽しむ福音の糧
妻と子の乗る車南へと何処に行くか知らずいるなり
面白き面白き事ばかりなら人生の価値いかばかりかな
苦しき日過ごしたれどもわが人生短歌の花が咲きにけり
トンビ舞う大空の果て何が住む宇宙は広く探索の価値
湖現れ近江大橋渡るときレンガ造りの洋館見ゆ
京洛はどこが良きかと問うならば清水焼の今村は良し
低き雲彼方の山に漂いて近江の山は渋き面持ち
草津なり滋賀のくさつは幾たびも走り抜けたるのみにありせば
空はなぜどこまで続くその果てに思いよ届け吾ここにあり
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