ひととせ/mementomeme
 
風薫り

別れたくない

思い出

木漏れ日に

溶かし込んで

花手折る様に



笑いあう

過去に振り合う

手と手の

日に焼けた

懐かしさを

笹舟に乗せて



色づいて

散り積もる頃

物憂く

枯れてゆく

この心に

踏みしめる音



見上げれば

舞う六つの花

触れては

温く蕩け

一時の

白きを偲ぶ



風辿り

還るべき場所

探せども

切なく

霞みゆく

故に私は

ただ

在るのみと

嘯きて

また

ぐるりと

風巡る
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