小谷城訪問の旅/生田 稔
小谷城訪問の旅
そよ風の朝の坂本後にして白き雲ある道走りゆく
青い空身を清くしていそしみし神の道にも希望をこめて
かすむ山湖の彼方にひろごりて藍色の水うみを望むよ
青き空そよ風と四人連れ立ちて行く手も知らぬ我が身なりせば
ひつじ田に杉林つづく左手に走る車のわたくしたちよ
びんぼうを貧しいと言え新しいことわざ湧きてうなずきにけり
雲は行く雲は行きけり秋の日の連れのおみなご盛んにしゃべる
安曇川の中江藤樹の街に来て近江聖人すすきたなびく
浜千鳥空に飛び空気は清き浜辺ゆくなり秋たけなわ
百瀬川鷺群れつどい陽は高く連れの人々打ち興ずなり
山巡り海津天神祠立つ道をたどりて行きにけるかも
沓掛の時次郎の所縁なる町を過ぎゆき終着間もなし
小谷城お市の方のつかりし湯浴びて庭見る昼下がりなり
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