遠い存在のあなたに/ことこ
 
とおり雨」途切れた言葉のすきまからとおり抜けてく夏の体温

いままでも眠る夜だけ好きでした、きれいな呼吸だけ好きでした。

遜色のないヒトデみて切り花の手を取るように色をうしなう

ざんねんと、呟いたまま黙り込み、熟した種をかかえる向日葵

乗り換えた先のバス停で居合わせたラクダの毛並/みずを呑み干す

網戸越し(夕立のあとのそらが満ち)あめ玉みたいに溶け出す"I know,"

菜種油をすれすれまでに点火して軟骨を揚げるかていを見守る

単線を下りくだってゆきました。あなたのいないことを確かめに
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