遠い存在のあなたに/ことこ
とおり雨」途切れた言葉のすきまからとおり抜けてく夏の体温
いままでも眠る夜だけ好きでした、きれいな呼吸だけ好きでした。
遜色のないヒトデみて切り花の手を取るように色をうしなう
ざんねんと、呟いたまま黙り込み、熟した種をかかえる向日葵
乗り換えた先のバス停で居合わせたラクダの毛並/みずを呑み干す
網戸越し(夕立のあとのそらが満ち)あめ玉みたいに溶け出す"I know,"
菜種油をすれすれまでに点火して軟骨を揚げるかていを見守る
単線を下りくだってゆきました。あなたのいないことを確かめに
戻る 編 削 Point(6)