ボーダーラインを消していく/なき
 
透明な煉瓦の壁をよじ登る 淋しい顔のアネモネの咲く


5センチの距離がただただ遠かった 手を掴もうと力をこめる


ペディキュアは必ず赤と決めていた 戦う心がめげないように


弱いままあなたの傍にいたかった 冷たい指で瞼をなぞる


爪先でボーダーラインを消していく 地図はいつでも丸めて使う



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