無のあとに/木立 悟
 





手のひらも夜もはざまも降りそそぐ漂う紙の大陸を踏む




わたしゆえ突き放された時の色たとえようとし止めた日のこと




たくさんの懐かしき文たなびいて涙なき影切り刻む昼




夜の火が骨の樹の原とおりすぎ銀に照らされ銀の子を産む




誰も居ぬ場所には多く声が居て切れぎれに問い切れぎれに請う




いつまでも無くならぬもの消えかけてまた現われてまた消えてゆく




ひとしきり影は影打ち降りやんで地より少ない空あおぎ見る


























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