辺と際(めぐり)/
木立 悟
ささやきが文字の痛みを取り去ると言葉は胸に目に突き刺さる
燃やしてもいいかおまえに尋ねてもおまえは黙る布の目をして
欠けながらまぶたに沈む光より到けられる風過ぎ去りし風
道が道くぐりし光あおぐとき朝のむらさき手のひらに降る
食べかけと呑みかけがまた窓になる夜の外は夜夜の外は夜
緑呑み底の緑をさらに呑み左腕だけが脈打つ夕べ
やわらかな銀の光のかたまりに指を触れ跡が消えゆくを見る
脚になる前の足たち運びゆく町になれない街の貝殻
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