目蓋路/木立 悟
 






空をゆくまぶたたちの群れつややかに包帯となる傷の器たる



片方に吹く未練風おしのけてまぶたの周り確かめつづける



まぶたからまぶたのすきま燃え上がり夜を視て鳴く夜を視ず哭く



焼けた手で冬を冬に積む屋根の神まぶたのかたち縦に舐め取る



射るものと射られるものが見つめあいまぶたをまぶたに重ね振り向く



はじまりと終わりに冬は押し寄せてまぶたの奥に銀の輪となる



夜を裂き何者も無い水たまりはらわたのうた聴きしさみしさ



まばたきをまばたきと呼べまたたきの数十億の航路知りせば




















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