さくら ひまわり/
木立 悟
散る色と咲く色の下いのる声ゆえ無く香る翳りしずかに
ニの握手二十八の拍手たちその縮まらぬ隔たりを聴く
招ばれずにいるほど闇に近いなら招ばれるものを招ぶものは誰
軒下の冬の寝床をそのままに向日葵の扉ひらく向日葵
海はさみ樹をはさみあい向かいあう大陸のなかひとつきりの音
髪の毛の黒たなびいて分かれゆく夜と桜と向日葵の道
世界から世界が落ちたその跡にひとつの紙をふたつにして置く
散るものと咲くものの間を埋めるよに唱い舞い笑む此方と彼方
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