正義感/夏川ゆう
 
正義感溢れる言葉裏腹に弱い心を覆う隠れ蓑

風となりポストに届く封筒の雪の切手は夏に一目惚れ

広島の奥座敷だと言われてる湯来温泉の湯は恋に効く

空耳のような気がする君の声魂同士密談交わす

怠け癖こっそり君に奪われてメリハリのある愛を育てる

蒼い花咲き誇る道歩きつつ山菜談義楽しむ季節

レンズから見える世界は偽物で真実だけを伝える鏡

歩いたらそれだけ靴の底は減る満開の花終わりを告げる

「別れよう」その一言は鉛色理想と違う南国の風

病院で赤い血液抜き取られ痛みと共に始まる検査
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