平凡な一日/
生田 稔
つつましき妻の花壇に蛙棲みゲコゲコゲコと呼びかくるなり
あれがいいこれがよしとて選びたる花々はどっと咲きいでにけり
良き日なりわが家には平和あれども哀し人の世トラブルに満つ
片田舎坂本は坂多かり妻と辿りて家々訪ぬ
五〇年過ぎ去りゆきて縁側に辞書読みていし我思い出ず
鳩がなく鳩が鳴きけり受験生夜明けの鳩を幾たび聴きし
陽の光真下に在りて昼近しブドウパン求め食せんかな
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