ICARUS,FLYMETOTHEMOON/本木はじめ
イカロスときみに呼ばれた五月から芽吹きだしてる背中のつばさ
滑走路駆けるあなたを追い駆けて追い駆けられて閉じてゆく恋
鋼鉄の翼たたまず夜を待ちどこへ飛び立つ思春期の冬
無知の知や飛行機そらへ飛んでゆくさよなら左翼さよなら右翼
ねぇイカロス飛んでみせてよもう一度空の深さを取り戻すため
いろとりどりの空が溶け合う彼岸まで紙飛行機に乗っていこうか
異国にて架空の兄が今晩も架空のわたしを探す十月
羽根ばかり集めて部屋を飛ばそうと熱狂している宗教なきみ
超巨大ジェットエンジン部屋にあり気づかぬ父や母の青春
Flymetothemoonを聴きながらねむりに墜ちるイカロスのごと
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