詩人ども/木立 悟
昼起きて午後眠る間に子を造るけだものの性(さが)知るか詩人よ
ぐだぐだと日記を書くなら他所(よそ)に書け挨拶なのか御遍路なのか
妻子にも秘密の名前がこれなのか覚悟が足りぬ言葉が足りぬ
分別の失い老人は哀れ也ただ焼かれゆく五五の蛙よ
霜あれば珍重された未通女(おぼこ)だが霜が溶ければただの七七(無な無な)
どこまでも石も川も寄り添いて敬いもなくただ大大と
妻や子にそっぽ向かれりゃ次は父いつまで保つかネタは尽きまじ
最と果て何故に二重に閉ざすのか言葉そのものが他意(たひ)であるのに
闇を着て弱い言葉を突ついても詩人よおまえは鴉にゃなれぬ
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