七月の短歌/kaeru
 
夕暮れはかなしみを着てその外に星空を着て地球の夜


梅雨明けぬ空灰色に夕暮れて蝙蝠滴るごとく降り来る


すでに夜の側にいてまだ夕映えをガラスの壁のビルは反して


きみは玉乗りゆらゆら揺れる地球の上で目を瞑り手を広げ


紺色のセロファン越しの日食は灰一色の空の真中(まなか)に


素敵でしょ誰かが言って一斉に誰もが空を見上げている朝

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