ロスト/石畑由紀子
 
片目とじて高層ビルのてっぺんを愛撫するほど遠いきみの背


くちびるが世界、とひらき漏れ落ちる欠片のなかにわたしは棲んで




カレンダーに王冠を描くもう二度とあうことのないひとの記念日


ほねになるただしい順序があることを父を哭かせて知らせた友よ




パリ/ロンドン時差一時間なにひとつ失ってなどいない、はずだ、





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