ヒート/石畑由紀子
 
くちばしで穴をあけ幹に棲みます私そのように君に棲みます



熱病に抗えぬまま君に手をのばす殉職への序章(プレリュード)



なにひとつ約束はない 安定の利いたシャツを剥ぎからまる逢瀬



やさしいね海老天ぷらの半分のすり身のように口づけるひと



みぞおちで燃える氷に指先の皮膚を削がれた共犯の朝







戻る   Point(5)