ひとり まつり/木立 悟
 






曇が月月から曇がおや月が曇であるのか月であるのか




風やんで雪のみなもと目に沈め光のなかの光たからか




行方なくただ前のみが在る冬の泳ぐそのさき空おりたたむ




横顔のような鏡の傷を見る姿ではない姿の奥に




造られた花に囲まれひとり呑む内緒ばなしを集めた菓子で




在るものも失いものも手にまたたいて花から空が生まれ降る午後














戻る   Point(3)