過去への執着、または春風とゆく(仮)/うみとゆう
 
じゅうきゅう歳もうあと少しで二十歳です二の足を踏む小さい子を見て


過ぎし日の忘れたくない思い出もひこうき雲のように消えゆく


振り向けば夜空に広がるスターたち夢を捨てるの早過ぎたのかな


見えないよそんなに光る君なんて闇の中ではまぶしすぎるよ


あの頃に戻るための魔法ならそっとつぶやく
「このゆびとまれ」

ヒトはみな必死になって生きているそれこそ死にたいゾンビのように


人生の終点までは遠いけど残された旅費はいくばくなるか


歩き出す先の見えぬ人生をあなたがはこぶ東風(こち)にふかれて




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